美しい和菓子のようなジンチョウゲ。
漢字では沈丁花で、香りのよい沈香(伽羅)と丁子に似ていることから名付けられました。
花びらのように見えるのが萼で、花芯のように見えるのがお花です。
萼が集まって丸く固まって咲き、あの可愛らしいボンボンのような形になります。
萼が開くまでは濃い赤みの強いピンクですが、開くと淡いピンクになり、その色の違いに
驚かされます。
香りもまた、開き加減と相まって、どんどん強く芳しくなっていきます。
遠くまで香りが届くので、千里香という別名もあります。
中国では、瑞香といい、やはり香りの良い縁起木として親しまれています。
ヨーロッパでは葉っぱの形が月桂樹に似ていることからダフネと呼ばれます。
月桂樹とダフネのつながりは、ギリシャ神話に出てくる女神ダフネが、アポロンに追いかけられ、逃げるために父に頼んで 自らの姿を月桂樹に変えてもらったという話からです。
香りとも花の形とも関係なく名付けられたというのがちょっと不思議ですね。
丸い花型も可愛いけれど、その木全体も、自然に丸く整っていく健気な(?)
常緑樹です。
花、木、共に形良し、香り良し、葉も光沢があって、美しい木と言えます。