花綴り

ハボタン

40年ほど前の初冬、小学生の頃、伯父から電話があって「これからハボタンを植えに行くから」
と言われて「ハボタンってな~に?」と聞いたら「キャベツの親戚みたいなヤツ」・・・
しばらくして、伯父が車で色付いたキャベツのような株をたくさん運んで来ました。

伯父は一番大きな花壇には既にパンジーが植えられているのを見てかなりがっかりしたようですが、2つめのチューリップの球根を植えていた花壇に、球根の生育を邪魔しないように気をつけながら、キャベツの親戚のようなものを植えてくれました。それが、私が初めてハボタンを認識した時と記憶しています。
花壇に植えるのを手伝いながら「キャベツなの?」と聞くと笑いながら「親戚みたいなものだけど違う名前でね。葉牡丹って言うんだよ。キャベツよりずっと綺麗な色だろう。チューリップが咲くまで、冬の間、花みたいに楽しませてくれるからね」と教えてくれました。

年末に頂戴したお正月用のアレンジメントに、松、菊、千両、ガーベラと共にハボタンが入っていて、何となく花壇に咲くイメージが大きかったので、生けるというのが新鮮でした。2月に入っても元気にしていて驚きです。近年、お正月の床飾りを含む切花用の品種が出てきたのだそうです。
アブラナ科アブラナ属。数年前に枯れないので抜く機会を逸して植えっぱなしにしていたら、中央がニョキニョキ伸びてきて、菜の花そっくりのお花が咲きました。余談ですが、キャベツもチンゲンサイも同じような花が咲きます。

B-1014『はぼたん』

この作品は、刺繍用モヘア糸を使用してボタンホールステッチで刺しています。
冬の花壇にピッタリのヒダヒダ葉っぱのハボタンの様子が上手く表現できていると自負しております。

一覧に戻る
© 2019 株式会社植木紅匠