師走に入り、一気に街中がクリスマスデコレーションに染まってきました。
その一役を担っている花の中にポインセチアがあります。
真っ赤とグリーンのコントラストがクリスマスカラーにぴったりなので人気があります。
最近は、ピンクや黄色、クリームに白、斑入りのもの、大きいもの小さいものと、バリエーションが豊富になって花屋さんの店先を飾ってくれていますが、個人的には、緋色に濃いグリーンの葉の大きめのものが好きです。
かなり前になりますが、この赤やピンクや黄色などの部分を花びらのようで、でも葉っぱにそっくり・・・と思っていました。その頃、「植木良枝著 続花刺繍3 秋冬の花(1987年刊)」という本のためにポインセチアの図案が生まれました。その作品に添えられる文章に『この、私の好きな赤、苞(ほう)の形があっさりして平たいから、色の印象が一層強い。(後略)』とあって、初めて色付く部分が苞であることを知りました。
花は、中心の芯のように見える部分です。
小さくて可愛らしいですね。
メキシコインディオたちが染料として赤色を使ったり、白い樹液を薬として使ったりしている珍しい赤い花。これを見たアメリカの初代メキシコ大使ポインセット氏が、母国へ持ち帰り紹介したのがきっかけで広く知られることになり、彼の名前に因んで「ポインセチア」と名付けられました。
ポインセチアは短日植物(日の光が一定の時間より短くなると花芽を形成する植物)なので、自然に任せていると苞葉が色付くのは2月頃になってしまいます。12月に赤く色付かせるためには、9月頃から人工的に遮光時間を1日13時間以上の状態に(短日処理)する必要があります。夕方から翌朝までダンボールなどで遮光する方法が良く知られています。
クリスマスに向けて大事に育ててくれる花農家の皆様の努力で美しい色が楽しめるのですね。