花綴り

椿

木に春と書いて「椿」。春の訪れを知らせてくれる代表的な花の一つですね。
常緑樹で光沢のある濃いグリーンの葉を一年中たたえ、背の高くなるものも低木のままのものもあり、垣根などにも使われています。

花の色は、赤やピンク、白、それぞれが混じったもの、数え切れないほど沢山の種類があり、また、同じ木の花でも、一つは真っ赤で隣は赤白混じっている、しかもその混じり具合が同じ木の花とは思えないほどのバリエーションであったりするので、本当に楽しくなります。

最もポピュラーなヤブツバキ、開き切らない猪口咲きのワビスケ、平開するユキツバキ、
八重咲きの乙女椿・・・咲き揃うとうっとりしてしまいます。

初冬に咲く山茶花との大雑把な見分け方は、花びらが散るのが山茶花で、花ごと落ちるのが椿なのですが、ユキツバキは花びらが散りますので、花芯を見てその花芯が離れていれば山茶花で、束でくっついているようなのが椿と見ることもできます。
個人的にはざっくりと、初冬に咲くのが山茶花で、2月頃から咲くのが椿と考えるようにしています。

K-2 『椿づくし』

花の少ない時期にいろいろな形や花色で嬉しくさせてくれる椿ですが、花ごと落ち散る潔さゆえに、病床へのお見舞いは避けるべきとされています。
でもお家で飾るなら、こんな風にいろいろな種類を集めて壺に生けてみるのも素敵ですね。

B-772 『椿』

こちらは「沖の浪」という名前の椿を図案にしたものですが、若い方からご年配まで、
幅広いファンを持つ作品です 。
意外にも洋間にも合うとのお声を多く頂いています。

D-20 『椿(赤)』

この作品は、椿(カメリア)を愛する外国人にも人気が高くて、よくお求め頂きます。
イギリスの友人達と、この作品の前で話した時に「椿姫」の小説、オペラ、映画、そしてグレタ・ガルボやビビアン・リーの話に発展し、花談義は国を超えても楽しいと思いました。

見頃を迎える椿たちを、ゆっくり見て歩けたらと思います。

一覧に戻る
© 2019 株式会社植木紅匠