大輪の花コーナーは、全員、ご自分の好きな色合いと配分で刺繍されるという、最も植木刺繍らしい自由さ、刺繍する方のセンスと技術に重きを置きました。それぞれの個性あふれる大作をお楽しみ頂ければ幸いです。
布色も花の色も変更し、ご自分の好きな色合いで刺された作品。花の濃淡、蕾のふくらみなど薔薇の全ての要素が入っているこの図案は、ロング&ショートステッチ、サテンステッチを多く使うので、厚みが出過ぎないようにします。想像力と技術が必要で刺繍歴の長い方向きの作品。上品で豪華な仕上がりです。
薔薇で圧倒的な人気を誇る白薔薇用図案を、赤い薔薇にしました。植木刺繍の良いところは、図案はスコア(楽譜)と同じで、演奏者たる刺繍家の思い通りの作品にして行くことが出来るところです。先ずは、ご希望の赤と決め、この赤色にピッタリの淡ピンクの布地を選択、黒味が強い赤色が鮮やかに出るようにしました。大成功!
ご本人のご希望により、難しい薔薇のつぼみの花束を、柔らかいオレンジにしてみました。使う糸番号だけ決めて、それぞれの配分はご本人に任せるという刺し方は、刺繍する方のセンスと技術を尊重したものであり、制作過程の中で進化していく様を見るのは、本当に楽しみでした。この図案の未来を変えるような作品となりました。
牡丹はどの図案も大人気ですが、こちらは大きいがゆえに本当に難しい作品です。重量感は必要ですが、重くなり過ぎると野暮ったくなってしまうので、そのバランスをとることが大事なのです。花の一番良い時期を切り取り、葉っぱも生き生きしています。楽しいと思いながら刺繍したのがわかる勢いのある一級品。
立てば芍薬、、、のスッとした立ち姿を想像できる素晴らしい図案で、牡丹と並び、本当に難しい題材。花びらの数も多く、重くなりがちな花を、サラッと刺せているところが本当に見事です。糸の光沢が良く出ているので、実際に使っているより多くの色合いに見え、グラデーションの付け方も繊細で美しく仕上がっています。
極楽に咲く神聖な花として大事にされる、夏の池を彩るハスの花。今回は、布色を淡いグリーンで刺してみました。花に対して葉をチェーンステッチで軽やかな感じに仕上げました。花言葉は、清らかな心。
他の3点
絹地に越前屋製正絹糸、錦糸を使って刺した作品。絹糸の光沢が作品に更なる光沢を与えてくれるので、一層華やかな感じに仕上がりました。
白い紫陽花を刺してみたいと長年思っていて、やっと実現しました。
紫陽花は、手毬型のハイドランジアと花を咢片で額のように囲むガクアジサイに大きく分かれます。白が手毬型だったので、両方見て頂きたくの展示です。花は小さな中央の部分で、花びらのようなところは咢片です。
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